脳卒中と脳梗塞、脳出血はいずれも良く聞く病名です。
いずれも脳に何らかの異常が起こっていることは推測されますが、3つの違いについては良く分からない人も多いのではないでしょうか。
そこで、脳卒中、脳梗塞、脳出血についてその違いをご説明いたします。
脳梗塞と脳出血の違い
ひとまず脳卒中については置いておくことにして、脳梗塞と脳出血の違いについてご説明します。
脳梗塞は脳の血管が詰まった病態を言います。
血管は動脈硬化が進み、血液中の中性脂肪やコレステロール値が上がると、詰まりやすくなります。
健診などで高血圧や血中の中性脂肪値が高くなる脂質代謝異常を指摘された人は脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いと言えます。
一方、脳出血は、脳の血管が破れ出血することを言い、その点で脳梗塞とは違います。
脳出血は出血部位が大きくなると脳実質を圧迫し、様々な障害が現れます。
脳出血もまた、血管の弾力が低くなる動脈硬化や、血圧の上昇によってそのリスクが高くなります。
脳梗塞も脳出血も、起こった血管の部位により現れる症状は変わってきます。
脳卒中
これに対し脳卒中は、脳梗塞や脳出血が原因で何らかの機能障害が起こる病態の総称です。
具体的には、手足の麻痺や言語障害、意識障害などが挙げられます。
私たちの脳には多くの血管がはりめぐらされ、その血管から酸素や栄養素をもらうことで脳が正常に機能します。
その血管に何らかのトラブルが起き、酸素や栄養素が供給されなくなると、その部分の脳が損傷を受け様々な症状が現れます。
そのトラブルの中には脳出血や脳梗塞が含まれ、他には、くも膜下出血や一過性脳虚血発作なども含まれます。
実は、脳卒中は病気の名前ではなく、また、厳密には医学用語でもありません。
医学的に脳卒中に当たる言葉は脳血管障害ですが、一般的には脳卒中という言葉は馴染みが深く、わかりやすいため良く使われます。
まとめ
脳卒中は脳の血管に何らかの異常が起きて、脳に本来供給されるはずの酸素や栄養素が行き渡らなかった結果、脳が損傷を受け、手足の麻痺や運動障害、言語障害や意識障害が起こる状態のことを言います。
その中で、脳の血管が詰まることを脳梗塞といい、脳の血管が切れて出血することを脳出血といい、どちらも脳卒中の中に含まれます。
脳卒中はいかに早く治療するかがその後の状態を左右しますので、後遺症を残さない、あるいは後遺症が軽く済むためにも早い対応が必要となります。