りんご病というと、頬がりんごのように赤くなる病気で、その名前を聞いたことがある人も多いと思います。
ウイルスが原因で起こる感染症の一種ですが、多くが幼児期に感染し、一度かかるとそれ以降は感染しにくいと言われています。
目次
りんご病とはどんな病気?
りんご病はウイルス性の感染症で、多くが咳やくしゃみなどでウイルスが飛び散ることで周囲に移ります。
感染すると子供では軽度の発熱や倦怠感の後に両頬の紅斑が現れますが、症状の程度には個人差があり、頬の紅斑もすべての人に現れるわけではありません。
大人の場合は頬の紅斑は出ず、軽度の発熱や倦怠感、むくみ、手足の発疹やかゆみなどが現れますが、不顕性感染と言って症状が現れない場合もあります。
潜伏期間は発熱などの症状が現れるまで1週間、特徴的な頬の紅斑が現れるまで2週間ほどあり、感染力が強いのはこの紅斑が現れる前です。
つまり、症状が現れた時には感染力がなくなっていることが多いのです。
特効薬やワクチンはありませんが、自然経過で治ることも多く、多くは幼児期に感染し、成人では60%前後の人が抗体を持っていると言われています。
子供がかかった場合、症状はそれほど重くはなく、数日でよくなるため問題になることは少ないですが、妊娠初期の妊婦がこのりんご病に感染した場合は、注意が必要です。
妊娠中にりんご病に感染したら
妊娠中に妊婦がりんご病に感染すると、胎児に貧血が起こり、さらに重症化すると胎児水腫という状態になることがあります。
胎児水腫になると胎児は全身がむくんだ状態になり、流産や死産の可能性が高くなります。
特に妊娠初期や、20週未満の妊婦がりんご病に感染した場合、そのうちの約30%が胎児にも感染し、さらに感染した胎児の中の約30%が胎児水腫などの異常をきたすと言われています。
妊娠20週以降の妊婦が感染した場合では胎児水腫の可能性は低くなります。
もし、妊娠中、周囲でりんご病の流行があり、自分も感染が疑われる場合は血液検査ではっきりしますので、医師に相談しましょう。
その際は他の方への感染のリスクを考えて、受診前に電話で対応を確認した方が良いでしょう。
仮に母親にりんご病の感染が認められても、すべての胎児が感染するわけではありません。
母体感染から2~17週間後に胎児に影響が出てくるので、それまでは定期的にエコー検査で胎児水腫の所見があらわれないかを見ていく必要があります。
りんご病の予防法
りんご病は症状が出る前が感染力が高いため、予防が難しい病気ですが、一度かかると、再びかかることは少ないと言われています。
自分では気づかないうちに感染していたという人も珍しくないので、心配であれば血液検査で、すでに自分が抗体を持っているかどうかを確認することができます。
りんご病の予防法は、うがい、手洗いが基本ですが、妊娠中、特に妊娠20週までは、なるべく人ごみを避け、子どもの多くいる場所へ行く際にはマスクを着用しましょう。
他の感染症の予防のためにも、外出後はうがい、手洗いを心がけましょう。