寒くなってくると、くしゃみや鼻水などの症状に悩まされているマスク姿の人を見かけることが多くなります。
これらの症状が出始めると、「鼻風邪をひいてしまった」と考える人が多くいますが、症状が長引く場合は、もしかしたら鼻風邪ではなく鼻炎かもしれません。
よく似ている鼻炎と鼻風邪の症状を、見分けるポイントはあるのでしょうか?
目次
鼻炎と鼻風邪、それぞれの原因とメカニズム
風邪とは、鼻やのどの粘膜からウイルスが感染・増殖して炎症を起こす症状で、正式には「風邪症候群」と言います。
鼻の粘膜が炎症を起こすと鼻風邪となり、身体がウイルスと戦うことによって、くしゃみや鼻水、咳、たんなどの症状が現れます。
一方、一般的に言う「鼻炎」とはアレルギー性鼻炎のことで、アレルゲンと呼ばれる原因物質が体内に取り込まれることによって起こる症状です。
アレルゲンとなるものは花粉やハウスダスト、ペットの毛など様々です。
空気中を漂う花粉などのアレルゲンが鼻から吸い込まれてアレルギー体質の人の鼻の粘膜に付着すると、過剰な免疫反応が起こり、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状を引き起こします。
鼻炎と鼻風邪を見分けるポイント
アレルギー性鼻炎と鼻風邪は、くしゃみ・鼻水といった症状が現れる点では似ていますが、いくつか見分けるポイントがあります。
まずは、発熱があるかどうかをチェックしてみましょう。
アレルギー性鼻炎の場合は、熱が出ることはほとんどないと言われています。
一方、風邪の場合は身体がウイルスと戦うことによって体温が上がり、高熱を伴うこともあります。
体温をチェックして少しでも熱があるようなら、風邪の疑いがあると言えるでしょう。
また、鼻水の状態からも鼻炎か鼻風邪かをチェックできます。
鼻炎の場合の鼻水は無色透明でサラサラしているのに対し、鼻風邪の場合の鼻水は不透明で粘り気があると言われています。
これは、鼻風邪の鼻水には排出されたウイルスなどが含まれるためです。
最後に、鼻風邪と鼻炎で決定的に異なるのが、症状が続く期間です。
鼻風邪は数日から1週間程度で治る場合がほとんどですが、鼻炎は数か月続くことも、それ以上の期間に渡って慢性的に症状が出続けることもあります。
また、起床直後の朝方や就寝前に症状がひどくなる傾向があるのも、鼻炎の特徴だと言われています。
まとめ
・鼻風邪はウイルスによって鼻の粘膜が炎症を起こし、身体がウイルスと戦っているために起こる。
・アレルギー性鼻炎は、アレルゲンの侵入に対して身体が過剰な免疫反応を起こすことで起こる。
・鼻炎の判断ポイントは、発熱がないこと、鼻水が無色透明でサラサラであること、長期間に渡って症状が続くこと。
・上記にあてはまらない場合は、鼻風邪の疑いが強い。