子供に座って欲しい時に使う言葉ですが、「座って」と小さな子供に向かって言う場合、どのような言葉がけをしているでしょうか?
地方によって実はこの「座って」の言葉がけが違います。
「ちゃんこして」という地方
「ちゃんこして」という地方は、どうやら日本の中でも広い分布のようです。
九州地方、中国地方は「ちゃんこして」という地域が多いのです。
また、北陸地方でも、「ちゃんこして」と言います。
北海道では、「おちゃんこして」と、おをつけるという話を聞いたこともあります。
「おっちんして」という地方
「おっちんして」「おっちんとん」などは、関西地方で「座って」という時に使います。
関西地方で過ごしてきた方は、「おっちん」が標準語だと思っている方が多いと思うのですが、地方に出て、方言だったと気付きびっくりするようです。
「えんこして」という地方
「えんこして」という言葉は、関東地方を中心に使われているようです。
このように見ていくと、関西、関東を除いた地域では、「ちゃんこして」という地方がほとんどで、関西と関東では、それぞれ「おっちん」「えんこ」が使われているようです。
言葉の分布は、昔、都があった京都を中心に、放射線状に方言が分布する蝸牛考という考え方があります。
遠く離れた九州と北海道でも、同じ言葉が使われていること、中国地方と北陸地方で同じような方言が話されていることは、この蝸牛考を如実に現しているのではないでしょうか。
また、それぞれ文化の発達している関西と関東で、違った方言を話されているということも興味深い点です。