ご飯を食べるために使う箸ですが、なぜ自分から見て一番手前に、且つ横にして置くのでしょうか。何気ない習慣ですが、当たり前のことにこそ大きな意味が隠されているのです。
目次
お箸について
毎日の食事に欠かせないもの、それは食べ物それ自体ではなく、それを私たちの口へ運ぶことを可能にする箸であります。
古来弥生時代に箸の起源は遡ります。当時は木の枝や動物の牙などを素材に、一本で突き刺し食べ物を口へ運ぶという役割を担ったこれが箸のルーツであると言われています。
現在の同じ長さの二本の箸の形になったのは奈良時代。中国から「神の器」として輸入された竹製のピンセットのような物がそれでした。
そこから日本人の手によって、現在の形に改良されました。箸という字が竹冠なのもこの当時の素材に因んでいます。
箸の持つ意味
では、本題の箸が持つ意味とは一体何なのか。
それは、上記の「神の器」という言われと密接に関係しています。箸には、神聖なものと人間界を分ける境界線という意味があります。
食卓に並べられたご飯と自分との間には、必ず箸が置いてあることにお気づきでしょうか。
これはまさに、貴重な命という神聖化された食材と、これからそれをいただく卑俗な人間の間には明確な境界を設け存在価値を区別しなくてはいけない、として箸がその役目を果たしているのです。
そして「いただきます」という掛け声が為されて初めて箸を手に取ることによって、その境界線が解かれ、人間の口に神聖な食べ物を運ぶことが許されるのです。
最後に
いかがでしたか。私たちの身近にあるものにも大切な意味が隠されているのです。
当たり前に目を向けると新しい発見が沢山出てきます。
こうしたことを、これからの子供たちにも教えていく必要がありそうですね。