裁判所についてのトリビアをいくつかご紹介します。
目次
裁判所はユニバーサル・サービス
裁判所は、大都市だけにあるわけではありません。
地方裁判所・家庭裁判所は、すべての都道府県の県庁所在地(広大な北海道は、加えて函館・旭川・釧路にも)に設置されている50の本庁のほか、大都市などに203か所もの支部が置かれています。
簡易裁判所に至っては、全国の438か所もの場所にあるのです。
ところで、こんなにあちこちに裁判所があるのはなぜでしょう。
それは、憲法上保障された権利である、国民の「裁判を受ける権利」を実現するためです。
どこに住んでいても、裁判所に行くことができないという理由で裁判を受けられないことがあってはならないということを反映しているんですね。
裁判官の黒い服の理由
ニュース映像や法廷ドラマで、裁判官が黒い服を着ているのを見たことがあるかと思います。
裁判官の着ている、ガウンのような服は、正式には「法服(ほうふく)」と言い、裁判所規則上、裁判官の制服とされています。振袖のような袖が付いていて、前をボタンで留める構造になっています。
この法服、色が黒いのは、公平に判断をしなければならない裁判官が「何ものにも染まらないよう」という意味が込められています。
なお、この法服は、昔は正絹で作られていましたが、今はポリエステル100%となっています。
また、法服の下はワイシャツやブラウス、時にはニットなど、人それぞれです。
裁判官は、本当に、「静粛に!」と言って木槌を叩く?!
ドラマや映画などの、木槌を叩いて「静粛に!」と裁判長が叫ぶシーン。実際の日本の裁判所では、そうした光景を見ることはできません。
なぜなら、日本の裁判所の法廷には木槌が置かれていないから。
最近の日本を舞台にしたドラマでは、さすがにこの事実を反映して木槌が出てくることはあまりなくなりました。
ちなみに、この木槌(英語ではgavelといいます)は、アメリカの法廷では使用されていますが(一部使用されない法廷もあります)、カナダやイギリスでもこの木槌を使う習慣はないのです。
いかがだったでしょうか。
裁判所もちょっと面白そうだと思った方は、ぜひ裁判所に傍聴に行ってみてくださいね。