お付き合いが増えると、お悔やみの席への参列も増えてきます。
お通夜、告別式、納骨式、初盆など。
喪主側となると、頂いた香典にお返しを考えなければなりません。
そんな、香典にまつわる疑問を調べてみました。
目次
香典返しとはいつ頃からあった物?
時代は室町時代とされ、香典返しの「香典」も「香奠」という字が使われていました。
「香奠」の「香」は霊前に供える香・線香の事です。
「香奠」の「奠」にはお供え物という意味があります。
その頃の葬儀の際には、近所の方々が米や野菜を持ち寄って、お供えしたり通夜振る舞いなどの食事に使っていました。
向こう三軒両隣の言葉のように、お互いさまの精神があり、助け合うという意識がその時代にはあったのでしょう。
ご近所に不幸があった時には駆けつけて、何かしらの世話を焼き、してもらった分をお返しするというのが香典返しの始まりと言えます。
現在では、贈答品の文化と共に香典返しも形を変え、お互いで助け合う気持ちから物へと変化していきます。
香典を頂いた際に香典返しをお渡しするというのが現在の習わしです。
香典返しをその場でお渡しする場合は、同じ金額で用意されたものを渡します。
香典の金額が大きかった場合には、後からそれ相応の品物をお返しするようにします。
近年の香典返しは斎場や葬儀会社で、親族が話をして品物を決め用意するのが一般的です。
香典のお返しの品は、故人の好きだったものや、食品や消耗品が多い。
食品や消耗品が多いのは消え物と言われ、後を残さないとの意味があるからです。
香典返しでの「のし」の書き方と粗供養の意味とは?
香典返しに使うのか、忌明けに使うのかで「のし」の書き方は違います。
一般的な悔み用の「のし」は、黒白の水引を用いた紙のことです。
黒白の水引、黒白の水引に蓮の絵柄の入ったもの、黄白の水引の3種類があります。
信仰されている宗教によっても、使われる「のし」が違ってきます。
「のし」の表書き(水引の上部に入れる文字)ですが、書き方も地域や宗教観などによって違います。
一般的によく使われるのは「志(こころざし)」。
「偲草(しのびぐさ)」は神式やキリスト教で使われます。
四十九日の頃には「忌明志(きあけこころざし)」や「茶の子(ちゃのこ)」を使う場合もあります。
その他に、「満中陰志(まんちゅういんし)」が関西地方や中国地方で使われています。
キリスト教では水引を用いないことがあるので注意が必要です。
関西地方では「粗供養(そくよう)」を使う場合があります。
「粗供養」は当日返しとして、参列者に渡される品物に掛けられる「のし」に書きます。
近年では、「粗供養」を使う地域が増えてきています。
「粗供養」を当日返しすることで、略儀することが出来るからです。
「粗供養」は香典返しだけではなく、法事や法要・仏事のお返しにも使われています。
まとめ
悔み事はなるべくなら避けて通りたい出来事の一つですが、参列された方々にはすぐにでもお礼がしたいものです。
葬儀を滞りなく済ませることで頭いっぱいになることなく、参列したすべての方へ簡易的でもお礼が出来るのが香典返しです。
表書きも大切ですが、お互いさまの気持ちを忘れないようにしましょう。