沖縄に旅行して、泡盛(あわもり)に魅せられた人はいませんか?
泡盛の年代酒、古酒(クースー)は古くから沖縄の家庭で仕込まれてきました。
泡盛は年数が経てば経つほど、味が育って美味しくなります。
家庭で泡盛の古酒を手軽に楽しむには、どんな方法があるのでしょうか?
目次
元々の作り方は「仕次ぎ」という作り方
泡盛の古酒では、元々の作り方を「仕次ぎ」といいます。
甕(かめ)をいくつか用意して、親酒、二番甕、三番甕とします。
親酒は、貯蔵年数が長くなるようにします。
親酒を少しだけ飲んだあと、減った分を二番甕から取り出して親酒の甕に移します。
二番甕も減ってしまうので、三番甕から取り出して移します。
三番甕の減った分は新しい泡盛を注いで全体の量を減らさないようにするというのが、仕次ぎの特徴です。
何年も何十年も継ぎ足しながら飲むお酒なので、43度などアルコール度数が高い泡盛を仕次ぎには使います。
アルコール度数が高いとはいえ変質しないように、保存よく手入れする必要があります。
涼しい蔵のような住居環境がないとこの方法を取り入れるのは難しいかもしれません。
ひとつの甕(かめ)での古酒の作り方は?
「仕次ぎ」のように複数の甕に継ぎ足し継ぎ足しができなくても、甕で泡盛の古酒を仕込むことはできます。
甕に入れてあげることで泡盛の一部が新鮮な空気に触れることができて、熟成に役立つようです。
またガラスびんとは違い、甕にはミネラルが含まれています。
甕に含まれるミネラルは、泡盛の熟成を助け、甕でしか出せない甘みと香りを引き出します。
甕に泡盛を仕込み、そのまま飲まないでずっと手入れしながら何年も置けば、古酒を作ることが可能です。
ビンのままでも古酒はできる?
泡盛で古酒を作るのに最も手軽なのは、買ってきたビンのまま年数かけて寝かせる作り方です。
空気に触れさせないので失敗の心配もなく、置き場所も取らないのでこれならできそうですよね。
ただ甕で寝かせたときほど本格的な古酒の風味はつかないようです。
長年がんばって寝かせたのに「これで何十年ものなの?」と拍子抜けする結果かもしれません。
手をかけない分、もし予想以上に美味しかったらラッキーくらいのつもりで待つのがよさそうです。
それからビンのまま泡盛で古酒を作るのに、年数のかからない反則(?)な作り方を見つけました。
ビン入りの泡盛を車のトランクやバイクの荷台に積んで、振動を与えるという方法です。
数か月から半年ほどの期間で、年数ものの泡盛に近いものが楽しめるという情報を耳にしました。
コツは、ビン口から泡盛が漏れ出さないようにすることです。
漏れ出すとそこからカビが生えたり変質してビン中の泡盛にも影響を与えます。
車やバイク内も汚してしまうので、ビン口にテープを巻く、下に敷物を敷くなどしましょう。
泡盛・古酒の作り方!のまとめ
泡盛の古酒作りで最も大切なのは、アルコール度数の高い泡盛を選ぶということです。
仕次ぎのときには43度前後のものが使われるというのを、目安にするとよいでしょう。
そのまま水割りで飲むための25度、30度くらいの泡盛も見かけます。
甕やビンで熟成させ長期保存させるためには、40度以上の泡盛を使うようにしましょう。
また仕次ぎで古酒を作る場合、1年に組み出すことのできる泡盛は多くても親酒の1割までです。
沖縄では誕生日、お祝いごとのここぞという時にだけ、親酒の泡盛をふるまいます。
年数の立った古酒は、味も香りも格別に成長します。
親酒の飲み過ぎ組み出し過ぎには、くれぐれも気を付けましょう。