地震が起こる前に出ると言われる地震雲ですが、どんなものかあるか、ご存知ですか?
地震大国とも言われる日本において、地震の予知は多くの人の願いです。
地震雲を見分けることができれば、地震への対策も立てやすくなります。
地震雲発生のメカニズムと出現のタイミング
地震雲が発生するメカニズムについて、いくつか推測されているものがあります。
「断層付近の地下の歪みにより、その上部の気温が上昇し、雲が発生する」というものや、「震源周辺の磁場の異常により、電磁波が雲を発生させる」というものがあげられますが、残念ながらどれもはっきりした科学的根拠があるわけではありません。
雲の種類によって、地震発生の予測日が異なりますが、地震雲は地震が起こる2週間前~直前に現れると言われています。
地震雲の種類
地震雲には次のようなものがあります。
・帯状型地震雲:帯状の長い雲で、地震雲の7~8割を占め、飛行機雲によく似ています。
・断層型地震雲:空と雲があるラインでくっきり分かれているもので、雨雲によく似ています。
・波紋形地震雲:水面の波紋が広がるような形をしていて、波紋の中心に当たる部分が震源と言われています。
・肋骨状形地震雲:肋骨のような形をしており、これは24時間以内に地震が起こると言われています。
・竜巻形地震雲:竜巻のように地面に垂直、あるいは、斜めに雲が伸び、一週間程度で地震が起こると言われています。
・放射線状形地震雲:震源方向から放射状に広がる筋状の雲で、珍しい地震雲です。
・さや豆形地震雲:さや豆のような形で、先端に行くほど細長く尾を引いたようになります。
・稲穂型:稲穂のように根元が細く先端が太くなっており、風の向きに関係なく、震源の方向に移動していくことがあります。
他の雲との見分け方
地震雲と、そうでない雲を見分けるときのポイントは次の通りです。
・ 比較的低い位置に発生することが多い。
・ 長時間形を変えず、同じ場所にとどまりなかなか消えない。
・ 色や大きさがいつもと違い、不気味である。
・ 雲が出た後に、天気の崩れがない。
地震雲かどうかの明確な判断は難しく、地震雲が出たからといって、必ず地震が来るわけではありません。
しかし、種類や見分け方を知っておけば、ある程度の予測が立てられ、地震対策に役立ちます。
地震の発生を正確に予知できるものではありませんが、常に防災意識を持つためにも覚えておいて損はないでしょう。