納涼会と暑気払いは夏に行う飲み会の別名と思っている方もいるかもしれませんが、どうやら違うようです。
確かに納涼会も暑気払いも夏場の飲み会の名目で行われることが多いですが、本来はどういう意味があるのかどういう違いがあるのか解説します。
納涼会とは?
ルーツは平安時代の貴族にあるようです。
貴族は夏の暑さをしのぐために、川辺や森の別荘で過ごしたそうですが、江戸時代になると、庶民も川に屋形船を浮かべたりして、涼むようになります。
暑いから涼しい所に集まって、何か涼しげなものを食べるという江戸時代の庶民の納涼が、現在の納涼会の原型でしょう。
現代ではお酒を飲むことが多いですが、本来はお酒に限らなかったようで、平安貴族たちはかき氷を楽しんでいたようですし、江戸時代ではそうめんを食べていたようです。
現在は当時とは違い、エアコンなどが普及し、わざわざ涼しい水辺に出かけるということをする必要はなくなりましたが、夏を楽しむための言葉として残っているのでしょう。
暑気払い
現代では飲み会の名目の他に、土用の丑の日にウナギを食べる名目にする人もいるようですが、江戸時代はもっとお堅い物でした。
体に溜まった熱を排出し、体力を回復するという医療的な意味が含まれていたからです。
暑気払いには主に、どくだみなどを配合した薬湯を飲んだりしていたそうです。
何故、どくだみを飲むのかというと高い薬効成分がある上に、夏の土用の頃が一番、薬効成分が高まると言われているからです。
どくだみは滋養強壮の効果の他に排尿を促すそうです。
排尿により、体を冷ますことが出来るそうですから、体に溜まった熱を外へ出した上で、滋養強壮も可能だというどくだみは最適だったのでしょう。
ただ、現代ではお正月の薬酒であるお屠蘇が廃れたように、暑気払いの薬湯もすっかり廃れてしまい、暑気払いという言葉だけが残っているのでしょう。
まとめ
納涼会と暑気払いの違いはいかがだったでしょうか。
純粋に涼むのが納涼会で、暑さを乗り切るために薬などを飲むのが暑気払いの起源です。
現代ではどちらも大した違いはありませんが、水辺などの涼しげな場所に集まっての催しが納涼会の語源なので、多くの人が集まるような飲み会を催すような場合は納涼会という言葉を使うと違和感がないかもしれません。
暑気払いは昔とは違い、夏飲み会や夏のウナギなどを食べる名目になっていますが、少人数で集まるような時に使うのがいい言葉でしょう。