数年前から富士山の噴火を予期する声をよく聞くようになりました。
ここ数年、日本列島では大きな地震が続き、これに加えて富士山が噴火となれば、大きな被害が予想されます。
気になる富士山噴火の予兆と歴史について調べてみました。
富士山噴火の歴史
あまりイメージがない人もいるかもしれませんが、富士山は立派な活火山です。
これまでも富士山は大きな噴火を繰り返してきました。
主なものは864年の貞観噴火と、1707年の宝永噴火ですが、その間にも富士山は何度か噴火を起こしています。
過去の噴火の歴史を見てみると、富士山の噴火には、ある法則があることが読み取れます。
それは噴火をよく起こす活動期と、全く噴火を起こさない休息期を繰り返す、ということです。
現在富士山は1707年に起こった宝永噴火を最後に、噴火を起こしていません。
つまり、富士山は、300年以上も続く長い休息期の中にあるということになります。
地震の前後に噴火あり
そもそも、火山の噴火と地震については深い関わりがあると言われており、これまで世界で起きた大規模な地震では、必ず4年以内に火山が噴火しているという専門家もいます。
実際、富士山についても、1707年に起きた宝永噴火では、噴火の4年前に房総半島沖を震源とするマグニチュード8クラスの大きな地震があり、噴火の49日後にも大きな地震が起きました。
このため、、2011年の東日本大震災以来、富士山の噴火に対して心配する声が高まってきたのです。
難しい富士山噴火の予測
火山噴火の前には何らかの予兆があると言われており、一般的な例を挙げると、
1. 人が感じることのできない地震が山の中で起こる。
2. 震度2~3程度の地震が頻発し、震度5以上の地震が発生する。
3. 山体が膨張したり、地殻変動が起こる。
などがあります。
もちろん富士山でも観測データをとって噴火の予測を行っていますが、「富士山はウソをつく」という言葉が示すように、このような予兆があったからといって、必ずしも噴火が起こるわけではありません。
事実、2000年から2001年にかけて、富士山では低周波地震が増えた時期がありましたが、噴火は起こりませんでした。
今のところ、近々に富士山が噴火するはっきりした予兆は見られていませんが、ここ300年、富士山は大きな噴火を起こしていません。
だからと言って、この先も噴火が起こらないというわけではなく、むしろ、いつ起こっても不思議ではない状況と言えます。
富士山の噴火を決して想定外の出来事と捉えず、災害への備えを怠らないようにしましょう。