日本で人気のプロスポーツといえば、何と言ってもプロ野球です。
近頃はめっきりTV中継も減り、以前ほどでないようですが、それでもまだまだ熱狂的なファンを抱えています。
プロ野球の記録では、本塁打や打率、打点などがすぐ思い浮かびますが、スポーツニュースなどで最近よく聞くようになった「マルチ安打」。
どんなことをいうのか、ご存知ですか?
そこで、この「マルチ安打」に焦点を当ててご紹介したいと思います。
マルチ安打とは
マルチ安打とは1試合に2本以上安打を打つことです。
「複数安打」や「固め打ち」とも言われます。
似たような言葉に「猛打賞」がありますが、これは1試合に3本以上安打を打つことです。
普通、打者は1試合まるまる出場すると、4~5回打席が回ってきます。
全打席の中で安打が出た確率を打率と言いますが、通算の打率が3割を超えると、まあ「すごい選手」と言っていいと思いますので、3打席中1本の安打が出れば打者としてはOKということになります。
1試合フル出場していても、マルチ安打が出れば打率はだいたい4割は稼げるわけですから、マルチ安打は打者にとってもチームにとっても、良い結果ということになります。
ちなみに猛打賞は、1試合中に出た安打数が3本以上ですから、「相当いい結果」と言えますし、猛打賞を出した選手は「相当波に乗っていて調子がいい選手」と言えます。
日本プロ野球での連続記録は?
マルチ安打の連続記録を調べてみたところ、日本プロ野球での最高は10試合連続で3名いることがわかりました。
もっとも最近では2001年の日本ハム時代に小笠原道大選手が記録しています。
ちなみに年間最多マルチ安打を記録しているのは、パ・リーグ時代のイチロー選手で、1994年に69回を記録していますが、これは現在でも日本のプロ野球の最高記録のようです。
また、小笠原選手の他に連続マルチ安打を記録しているのは、1952年阪神の後藤次男と、1954年のチャーリー・ルイスです。
後藤次男氏は現役引退後、コーチや二軍監督をへて、2回阪神の一軍監督を経験し、2016年、92歳で亡くなる前年にも始球式で投球するなど、野球人としての一生を送りました。
もう一人のチャーリー・ルイスについては、日本でプレーしたのは2年だけで、メジャー経験のない選手でしたが、29歳で日本のプロ野球毎日オリオンズに捕手として入団し、2年連続ベストナインに選ばれる活躍をしています。
185センチという長身を生かして、連続試合マルチ安打や最多2塁打の記録を打ち出し、勝負強い打者として日本人にも愛されたようです。
「マルチ安打」については、本塁打や安打に比べるとその言葉にはあまり馴染みがないかもしれませんが、マルチ安打を連続して出したり、コンスタントに出し続けることがいかに難しく、また、チームにとっては尊いことか、少しはお分りいただけたでしょうか。
今後、プロ野球を見るときには、この「マルチ安打」にも注目してみるのもいいかもしれませんね。