マラソンのレースにいるペースメーカーと呼ばれる人のことをご存知ですか?
先頭集団でずっと有力ランナーと肩を並べているにもかかわらず、いつの間にかいなくなってしまい、不思議に思った人もいるのではないかと思います。
今回はぺースメーカーの知られざる実態についてご紹介します。
目次
ペースメーカーの役割
マラソンレースにおけるペースメーカーは、好記録を出すのに必要な存在です。
それは、次のような役割を果たすからです。
1. ペースメーカーがレースのペースを作ることで、出場ランナーの心理的な負担が減る。
2. ペースが乱されることがなくなり、後半余裕を持って走れるようになる。
3. ランナーたちの風よけになる。
また、大会によって条件が異なるため正確に比較できないタイムを、ペースメーカーを使うことによって、ある程度一定にして、代表選考をしやすくするという役割もあります。
ペースメーカーが生まれた背景
「昔のマラソンレースにはペースメーカーなんていなかったのに」という人もいるかと思います。
陸上競技の商業化が進んだことで、より好記録が求められるようになったのが、ペースメーカーが生まれた背景のようです。
実はかなり前からペースメーカーは存在していましたが、その存在に触れてはいけないというのが暗黙のルールでした。
日本でその存在が初めて公になったのは2003年12月に行われた福岡国際マラソンで,それ以降中継などでもとりあげられるようになり、一般的にも広く知られるようになりました。
ペースメーカーは選手?スタッフ?報酬は?
ペースメーカーは大会主催者が雇うものです。
大きな大会では必ずと言っていいほどペースメーカーがつきます。
競技を仕切る役員から見れば、選手の一人であることには変わりありませんが、主催者との間で、速度や走行距離などの条件を決めて契約し、報酬をもらいます。
多くはスタートから30キロ付近までを決められたペースで走り、それ以降はコースアウトすることが多いようです。
レースで出場選手を牽引するのですから、もちろんかなりの実力が求められ、ピークを過ぎた元強豪選手などが務めることが多いようです。
ペースメーカーの報酬は公表されていませんが、ペースメーカーとしての実績が認められた場合、1レース2万ドル(約210万円)の報酬が出ることもあるそうです。
マラソンは、ペースメーカーがつくことで好記録が出るようになったことは確かですが、レースの序盤から30kmまでは選手間の駆け引きを楽しむ機会が減り、レースがつまらなくなったという人もいます。
ただ、競技である以上はタイムを縮めることが目的ですし、レースの駆け引きは30kmを過ぎてからでも繰り広げることができます。
そう考えると、ペースメーカーはやはり必要といえるのかもしれません。